Forêt Noire à la Pistache
お菓子の製作依頼を頂きました。
ピスタチオとお酒の効いたプチ・ガトーを、とのリクエストを頂き、製作したのはフランスとドイツのお菓子、フォレノワール(ドイツではシュバルツヴェルダーキルシュトルテ)をアレンジした一品です。
伝統的なフォレノワールはさくらんぼ、ショコラ生地、クレームシャンティ(お砂糖を加えてホイップした生クリーム)またはシャンティショコラそしてキルシュを組み合わせて、仕上げにコポー(削ったチョコレート)をたっぷり、そしてさくらんぼを飾るのがお決まり。
かつてミュンヘン在住中に食べたドイツオリジナルバージョンを、フォルム、お味共に忠実に再現しようと記憶を頼りに作ったものはこちら、かれこれ5年程前のブログ記事になります。
ピスタチオとさくらんぼといえばフランス菓子の定番の組み合わせでありますが、今回はその2つの素材の相性の良さを利用して、伝統的なフォレノワールにピスタチオの風味を加味したものを製作しました。
昔ながらの伝統菓子が今でも継承されている理由はその構成の素晴らしさと、そしてそれがあくまでもシンプルだということにあると思うので、あまりそこから大きく逸脱することは個人的には好きではなく、どちらかといえばオリジナル構成を尊重して作りたい、というのが私的一意見。
というわけで今回プチガトー用に形は長方形にしましたが、構成はピスタチオという一素材を追加した以外はフォレノワールの従来の素材と味を残しました。
ショコラ生地は薄力粉は一切使用なしで口の中でスッと溶けるような食感、ピスタチオのムース部分は主張が強すぎないようにクレームアングレーズベースの極力甘さを控えた優しい味わいに仕上げ、もちろんさくらんぼとコポーというトレードマーク的デコレーションで飾って完成。
私はお菓子のパーツひとつひとつの味が直球で伝わってくるものが好きで、お菓子作りも自ずと Simple is the Best. ーーーとなっていきます。
今回のお菓子、ショコラ、さくらんぼ、キルシュ、ピスタチオの4素材が優しくもかつストレートに伝わってくることを目指してますーーー
Kさん、いつも製作のご依頼本当にどうもありがとうございます。去年ご依頼をいただいた際はスケージュールの都合がつかずにご依頼をお受けできませんでしたが、これからもますます心を込めたお菓子作りをさせて頂きたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。